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レインツリーの国(ネタバレあり)

レインツリーの国
有川 浩著
新潮社 (2006.9)
通常24時間以内に発送します。

【内容紹介】
きっかけは「忘れられない本」そこから始まったメールの交換。あなたを想う。心が揺れる。でも、会うことはできません。ごめんなさい。かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった―。青春恋愛小説に、新スタンダード。

有川浩さんの作品を読むのは3つ目です。 「空の中」以降、ハードカバーでの出版という、ラノベ界においてある意味で先駆者的立場でしたが、今度はなんと新潮社からの出版ですよ。 しかも内容的にはメディアワークス刊行作品である「図書館内乱」とリンクしているという……。 ここまでやっちゃうと、ラノベと文芸の橋渡しという役割が現実味を帯びてきますね。 普段ラノベを全く読まない方がこの作品を手にとって、他の著作に興味を持つという可能性とか。 まぁ、他の作品を手に取ってみたら変化球満載で面食らう事になりそうですけど(^^;
ま、そんな事はさておいて感想なんですが、どこかで誰かが言っていた共感の一冊という言葉が一番しっくりきますね。 恥ずかしながら、この話を読むまでは伝音性難聴と感音性難聴の違いさえも知りませんでした。 中途失聴者と聾唖者さえも一括りで認識していました。 勿論、健聴者の性として、"聞く"と"聴く"の違いを意識する事もありません。 ですから、「ヒトミ」の中途失聴という現実とそれに起因するコンプレックスを、読者の私でさえ嘗めていて、それをメールでの心の吐露という形で目の当たりにした時、なんとも居心地の悪い思いをする事になりました。 当事者である「伸」にとってはそれ以上だったに違いありません。 しかし、それに対する伸の返信内容の真摯さがまた凄くって。 スタンスというか何というか。 「これは真似できないな」と思いつつも「こうありたい」と思うような。 失聴者であればなおのこと、また、失聴について知らなかった人でも共感できる。 そんな絶妙の立ち位置なんです。 このあたりは有川さんの筆力という事になるんでしょうね。 本当に巧い。

「行けるとこまで行こうや。だって二人のことやん。二人とも降りたくなったら降りたらええやん。」

人は生きている以上何かしらの困難や問題を抱えているわけで、障害はそういった困難のひとつの形に過ぎない。 だからそれを理由に相手を遠ざけるのは卑怯だし、ぶつかり合う事でつかみ取れる筈の可能性を最初から手放しているようなものだ、と……。 私がここに書き出してしまうと途端に手垢のついた陳腐なセリフに見えてしまうのが申し訳ないのですが(^^; まさにとある作品のラストシーンに対するアンチテーゼともいえる内容です。 やっぱりラストはこうでありたいものです(^^;

あ、最後にこれだけは。 笹本祐一さんのデビューシリーズを読んでいる方はかなり驚く事になると思います。 しかし、小川一水さんといい、この方といい、あの作品に影響を受けた作家さんって意外に多いんですねー。 ちなみに私もあのラストにはしばらく納得できなかったクチです……。

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